アラフィフ夫婦にはあるある話のようですが、夫婦で定年年齢や会社の制度を共有していない、あるいは話し合っていない、、ということはないでしょうか。

そこで巷の“定年”について調査をしてみました。

約8割の企業は定年年齢が60歳

厚生労働省の平成 29 年就労条件総合調査の概況 によれば、定年制を定めている企業割合は95.5%とほとんどの企業が定年制を導入していることがわかります。

さて、気になる定年制の内容ですが、ほぼ全ての企業では一律定年制になっています。

定年の年齢については、「65 歳以上」を定年年齢としている企業割合は 17.8%「60 歳」の割合は79.3%と、60歳定年制が圧倒的に多数派です

企業規模や業種によって定年年齢がどう違うのか?以下の表を参考にしてください。

企業規模で見ると、従業員が100人以上の企業では80%以上が60歳です。30人〜99人の企業では60歳が76.7%と大規模企業に比べて少なくなる一方で、65歳が18.8%となっています。傾向としては、企業規模が小さくなるほど65歳定年制が増えています。

業種によっても高低差があります。全業種で60歳定年が一番大きい割合を占めていますが、その次に多いのが65歳です。65歳の割合が高い業種を見ていくと、サービス業(他に分類されないもの)、宿泊業・飲食サービス業、運輸業・郵便業、医療・福祉、建設業と続きます。これらの業種では20%以上の企業が65歳定年となっています。

政府は202024日、企業に対して、従業員の70歳までの就業確保に努めるよう求める高年齢者雇用安定法などの改正案を閣議決定しました。この改正案は2020年の通常国会に提出されますから、採択されるかについてもプレ定年世代にとっては注目しておきたいところです。

50代半ばであれば、これから5年間で会社の定年制度が大きく変更になる可能性もあります。コロナウィルスの影響により、今後の働き方にも変化があるかもしれませんよね。

50代夫婦の6割近くが定年後について話し合っていない

2019年にプレスリリースされた民間調査「50代夫婦1,000名に聞いた定年対策 実態調査【第一弾】」によると、老後の暮らしについて50代夫婦間の情報共有が行われている割合は約42%と半数以下です。約60%の夫婦は情報共有を行なっていないことがわかりました。

深読みをすると、役職定年や継続雇用など、「いくつまで働くのか?」=「働きたいと思っても働けるのか?」=「会社から必要とされる人材なのか?」などが絡み合い、、なんとなく話しづらいという夫婦も多いのではないでしょうか?

さらには、なんとなく「働かないでいいなら働きたくない」オーラが醸し出ているのを感じとり話し合う雰囲気ではないということもあるかもしれません。実際に調査結果から、妻である女性の方が夫の希望を把握していないと回答した割合が高かったことからも推察できます。

しかし、ここは敢えて夫婦で向き合っておかなければならないところですよね。

定年あるいはリタイアの時期(年齢)を把握することは、その後の生活が大丈夫なのかを確認するためにも必須です。

というのも、老齢基礎年金(国民年金)の受給開始年齢は65歳です。昭和3642日以降に生まれた夫(男性)の場合は、65歳以前の特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給がありません。つまり、公的年金の受給開始年齢は完全に65 歳からになります。

仮に60歳で定年となった場合、65歳までの5年間の生活費を備えておく必要があるのです。

60歳定年を前提に65歳までの必要資金を試算しておこう

老後(60歳以上無職世帯)の夫婦2人の生活費は平均で約27万円。(生命保険文化センターHPより)

27万円 x 5年(60歳から65歳の60ヶ月)=1,620万円

四捨五入すると約1,700万円が必要となります!

住宅ローンなどがある場合にはさらに上乗せして備えておく必要があります。

とりあえず60歳定年として考えておくと、65歳までに必要な資金が計算できますよね。

現在の資産額と合わせて一度夫婦で話し合っておきましょう。数字が明確になればライフプランも立てやすくなります。また、話し合いをしている夫婦ほど夫婦仲が良いと回答してることが前述の調査からもわかっています。

10年後、どんな暮らしをしていたいのか?

そのために今から夫婦で協力してするべきことも具体的に出てくることでしょう。

家計円満で夫婦円満、夫婦円満で家計円満ということですね。